選挙制度が政治を変える⑵

今回は前回の続き

 

前回話したのは小選挙区制の話で、そのルールでは首相の権力が強くなるという話でした。

 

今回はその逆で、首相に権力が弱くなる中選挙区制について話していきたいと思いますm(_ _)m

 

 

I:中選挙区制とは

 

中選挙区制…一つの選挙区から複数人の当選者がでる選挙制度

一般に大選挙区に分類されます

 

複数人とは実際3〜5人です(大選挙区制ではそれより多いので中選挙区制と呼ばれています)

 

メリットとしては、強くない党でも当選する可能性が小選挙区制に比べて大きい=少数意見が反映されやすいということです。

 

しかしこの中選挙区制はデメリットが結構多いです…

 

 

 

Ⅱ:中選挙区制の主なデメリット

 

政権交代が起きやすい

当然、一つの選挙区から複数人当選するわけですから可能性としては大きいです。

小さな政党でも議席を多く獲得しやすいですし。

 

一見メリットじゃない?と思いますが、この結果起こるのが多党化です。

さらにその結果起こるのが政権の不安定=政策の不安定です。

 

実際こうなったら混乱が起こったり、もしかすると有権者が「訳がわからん」と政治にしらけるようになるかもしれません。=民主主義の崩壊?

 

 

 

 

 

Ⅲ:中選挙区制のもとでの政治

 

前述した通り、複数人が当選するわけですから、特定の人々だけを狙った選挙公約でもいいわけです。 

小選挙区制のように中位投票者を狙わなくてもいいんです!

 

しかし、だいたい3〜5人当選するので同じ政党内で同士討ちになったりします。

その場合、所属政党が同じなので、ラベル以外での勝負になります。

 

そこで登場するのが政党内の派閥です。

どこの派閥に属しているか、それが同党内のライバルと差異を作る方法です。

中選挙区制の時、自民党は派閥の集合体としての一つの党でした。

55年体制下、確かに首相はずっと自民党の人でしたが、派閥は違っていました(疑似政権交代

 

派閥の話で重要なのは派閥間の争いです。

要するに同じ党内であっても仲が悪ければ非難するされるの関係になります。

 

これが、首相の権力が小選挙区制に比べて弱い理由です。

 

中選挙区制では、派閥の長と関係を築くだけで首相に気に入られる必要はないからです。

別の派閥の首相であれば非難してもデメリットになることはそうありません。

 

首相からしてみれば野党だけでなく同党内にも敵がいるということになります。

これを考慮しなければ首相の座に長くい続けられないのです。

首相の自由の幅が狭い

 

 

もう一つ重要なのが多党化による財政赤字です。

選挙に当選した人はその立候補した地域になんらかのメリットを与えます(理由は色々ですが)

多党化した場合、それぞれの支持者にメリットを与えないといけないので、予算が膨れ上がります。

よって財政赤字が起こります。

 

日本では1980.90年、財政赤字のための増税をしなかったのでそのまま赤字が続きました。

 

そのかわり公務員の数を減らしたので、今の日本は公務員の数が約330万人と他国に比べ圧倒的に少ないです。

いまの日本の人口が約1億2千万なので約2.75%しか公務員がいないんです… 

日本大丈夫ですかね?

 

ということで、以上選挙制度の影響のお話でした。最後までお付き合い頂きありがとうございますm(_ _)m